11月号 消化性潰瘍について

消化性潰瘍の治療の根本は日常生活の心身の安静と適切な食事、そして適切にお薬を服用することです。今月は消化性潰瘍についてお話しいたします。

<問>
消化性潰瘍とは何ですか?
<答>
胃潰瘍と十二指腸潰瘍は消化性潰瘍ともいわれます。 胃液が自分の胃や十二指腸の粘膜を消化することによって起こるからです。

<問>
胃液はどのような作用をするのですか?
<答>
胃液は胃酸(濃厚な塩酸)とペプシン(蛋白質を分解する酵素)を含んでいます。
胃酸やペプシンは攻撃因子と呼ばれ強力な消化作用をもっています。

<問>
胃液で胃を消化してしまうことはないのですか?
<答>
健康な人の胃は粘液や血流などの防御因子が働いています。
そのため、ふつうは胃液が自分の胃を消化してしまうことはありません。

<問>
なぜ消化性潰瘍ができるのですか?
<答>
様々な原因により防御因子(粘液など)と攻撃因子(胃酸など)のバランスが崩れます。
そして、胃粘膜や十二指腸粘膜が自分の消化液で消化され潰瘍が生じます。

<問>
消化性潰瘍の症状はどのようなものですか?
<答>
空腹時や夜間にみぞおちの痛み、胸やけ胃が重い、食欲不振などが起こることがあります。しかし、治癒期や慢性の消化性潰瘍の多くは無症状です。

<問>
消化性潰瘍の発生しやすい時間帯はいつですか?
<答>寝ている間は胃酸の分泌が高まるため消化性潰瘍ができやすくなります。
夜寝る前に胃酸分泌を高める食事、アルコール、タバコなどを摂ることは要注意です。

<問>
消化性潰瘍の治療にはどんな方法がありますか?
<答>
大きく2つに分けられます。お薬による内科的治療と外科的治療(手術)です。
近年、潰瘍治療薬の開発で潰瘍の治療は内科的に行うことが主流となりました。

<問>
消化性潰瘍の治療薬にはどのようなお薬がありますか?
<答>
主なものに、攻撃因子抑制剤、中和剤、粘膜防御因子増強剤などがあります。
実際には、医師の診断により最もその人に適したお薬が投与されます。

<問>
中和剤とはどのようなお薬ですか?
<答>
中和剤は胃の中の酸度を低下させるお薬です。

<問>
粘膜防御因子増強剤とはどのようなお薬ですか?
<答>
粘膜防御因子増強剤は胃や十二指腸の粘膜に抵抗力をつけさせるお薬です。

<問>
攻撃因子抑制剤とはどのようなお薬ですか?
<答>
攻撃因子抑制剤とは胃液中の塩酸やペプシンの分泌を抑えるお薬です。
消化性潰瘍の治療薬として攻撃因子抑制剤はよく用いられています。
その中に、H2ブロッカー(ヒスタミンH2)受容体拮抗剤)があります。

<問>
H2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗剤)とは、どのような作用をするお薬ですか?
<答>
胃壁細胞の表面には胃酸分泌の引き金となるヒスタミンH2受容体があります。
ヒスタミンH2受容体にヒスタミンという物質が入ると胃酸が分泌されます。
H2ブロッカーはヒスタミンH2受容体にヒスタミンが入らないようにブロックするお薬です。

<問>
消化性潰瘍の治療をしているとき、日常生活で気をつけることはなんですか?
<答>
心身の安静・適切な食事・お薬の服用の3点を欠かさず継続することです。

<問>
お薬の服用で気をつけることはなんですか?
<答>
お薬は医師の指示に従って、きちんと服用しましょう。症状がなくなっても潰瘍は治ったとは限りませんから、自分の判断でお薬の服用をやめてはいけません。

<問>
消化性潰瘍の治療中、食事で注意することはなんですか?
<答>
消化性潰瘍の治療中、極端な食事制限はありません。
胃粘膜を刺激する食品(アルコール、香辛料、カフェインなど)は避けた方が無難です。
胃の滞留時間の長い食品(脂っこいもの)も避けたいものです。


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